農薬・肥料不使用の茶葉が育つお茶畑を守るおごせ茶園の知られざる物語

オーガニックガーデン

みなさんの生活に欠かせないお茶のことをどれくらい知っているでしょうか?

主に流通しているお茶の大半は慣行栽培による農薬と肥料を使用して栽培されたものがほとんどです。では、日本国内で農薬不使用・化学肥料不使用・除草剤不使用の自然栽培で作られた茶葉はどれくらいかというと1%未満と言われています。なぜ、自然栽培の茶葉がこれだけ希少かというとコストと手間がかかり挑戦するお茶農家が少ないことが挙げられます。そんな、自然栽培のお茶作りを15年以上前から取り組んでいらっしゃるのがおごせ茶園のおごせさん。

私たちが運用する通販サイト”Organic Garden”で販売している煎茶・ほうじ茶・和紅茶はおごせ茶園で育てられた自然栽培の茶葉100%。今回は”おごせ茶園の物語”と題しおごせ茶園の知られざるエピソードをご紹介します。

おごせ茶園の概要

静岡県の山間部、富士山の絶景が見える大自然に囲まれた澄んだ空気と清らかな水が流れる場所におごせ茶園があります。大自然に囲まれていることで周りから農薬が飛んでくる心配が少なく、土を踏んだ瞬間に不思議とパワーとエネルギーを感じるお茶畑です。このお茶畑は全部で8つ箇所以上あり、総面積は1町8反5畆、おおよそサッカーコート3つ分の広さをおごせさんが1人で管理しています。


お茶の木の品種は日本に昔からある在来種を主に栽培しています。
甘みと渋みのバランスが良く香りとコクがよく味わえる「やぶきた」
自然豊かな森を感じさせ強めの味わいと爽やか喉越しが特徴的な「くらさわ」
しっかりとした渋味が持ち味の「さやまかおり」
それぞれの持ち味を生かして茶葉をブレンドし煎茶・ほうじ茶・和紅茶へと姿を変えます。

また、秀明自然農法(しゅうめいしぜんのうほう)を取り入れています。秀明自然農法は岡田茂吉師(1882-1955)が提唱した自然栽培法で、落葉や枯草からできた自然堆肥以外の些かの不純物も混ぜることなく、土を清浄化し、土自体の力を発揮させる農法です。この農法の基本理念は「自然尊重・自然順応」であり、清浄な土、自家採種、生産者の作物への愛情と大地への感謝を大きな特徴としています。自然本来の美しい環境で育まれた作物は、生命力溢れる美味しさで人の心も身体も健全にしてくれます。

おごせさんの人柄

生産者のおごせさんはパソコンやスマホも持たずにお茶一筋。お茶の栽培には相当なこだわりがあり一切の妥協も許しません。例えば、東向きか南向きで森や林に囲まれた山の中腹か頂上付近でかつなだらかな傾斜で日当たり・風通しの良好な場所というこだわりからお茶作りに対する熱意が伝わってきます。

毎日、お茶畑に行ってするのは雑草を手で摘むこと。「人が場所をお借りしてるんです。ここで茶の木の面倒を見ている時が一番いいんですよね」と言うその表情からはお茶にまっすぐと向き合う生き生きとした日々の暮らしが伝わってきます。

それにしても広大なお茶畑1人で面倒見るのは大変だと思いますよね。おごせさんに「困っていることはないですか?」と尋ねると「時々、イノシシが茶畑で穴掘っちゃうんで、困るのはそれぐらいかなぁ」・・・なんだか悩みの次元が違うなと感じますね。

お茶畑を荒らしてしまうイノシシなどの獣害にも負けず、人が自然と大地から場所をお借りしているという立場で毎日お茶作りに励んでいます。

おごせ茶園が自然農法に取り組んだきっかけ

おごせさんは学生時代にボランティアで有機農法の農家を手伝ったのがきっかけ。その中で「お茶は余計なものを加えなくても育つ」ということを学び、農薬、肥料、除草剤を一切使わないお茶作りをすると心に誓いました。

1983年、まずは有機栽培からスタートします。「時間の経過とともに小動物や昆虫、微生物の種類が多くなり、茶の木自体に抵抗力がつき茶の木が強くなったような気がしました」と当時のこと振り返る表情は郷愁を感じます。

1993年、本格的に秀明自然農法をスタートして現在に至ります。「しっかり観察して収穫、整枝等、茶の木に無理のないように。人間の都合ではなく、茶の木が健康になるような管理を心掛けております。葉層を厚く、芽数型ではなく芽重型になるようにすると良いように思っております。」茶の木の生育は肥料でごまかしが効かない分、周りの環境や土、多様な茶の木に合わせた管理が重要となってきます。農薬、肥料、除草剤を使わない場合、通常の農法と比べたら収穫量が6割から7割に落ちてしまいますがその分土と茶の木が純粋で健康的になります。

味の特徴

通常、お茶の味は「コク」という言葉で表現されることが多いです。ところがこの「コク」はお茶畑にアミノ酸を捲いて人工的に作られた味の場合がほとんどで、普段口にしているお茶は人工的なアミノ酸の味が強く自然本来の味を感じにくいです。

おごせ茶園の茶葉は自然栽培だからこそ自然由来の「コク」を感じることができます。自然の恵みがぎゅっと凝縮され、えぐみのないすっきりとした透明感のある味わいです。おごせさん曰く「これが昔からのお茶本来の味」とおっしゃいます。

えぐみの原因なっているのが窒素肥料の中に含まれる硝酸イオン。肥料を使いすぎると農作物の中に残留してそれがえぐみの原因となってしまいます。その反面、自然栽培の茶葉は硝酸イオンがかなり少なく、糖度、ビタミンCが通常農法のお茶より豊富でおいしく健康的です。

さいごに

今回は、”おごせ茶園の物語”と題しエピソードをご紹介させていただきました。

私たちは自然本来のお茶の味を人生で一度は体感していただければと願っています。口にした瞬間、今まで飲んできたお茶との違いがわかるはずです。農薬・肥料不使用のお茶はOrganic Gardenオンラインショップにて煎茶・ほうじ茶・和紅茶を販売中です。自然の恵みをたっぷり受けた自然本来のお茶を身体の内側からご体感くださいませ。

 

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